皆さま、こんにちは!今月は突然ですが、私のつぶやきから始まります。
お金が天から降ってきたり、思いがけずドカッと目の前に大金を積まれたりしたら、私の目は$や¥マークになって、人が変わってしまうのでしょうか?
そしてそのお金を人と分けなければならないのに、ちょっとでも取り分を多くなるようにごまかしたり、独り占めしようとしたりするのでしょうか?
今は$や¥マークにならないと思いますし、独り占めもしないと思いますが…どうなんでしょうね。
そもそもそんな大金が私のもとに転がり込んでくることはないでしょうが…
今回のお話は実際にあった(一部脚色がありますが)、うちの相続の話です。
四年前に祖母が亡くなりました。中野区内の百坪の土地と現金を遺し、あの世へ旅立ちました。葬儀代は四人兄弟で割り勘で支払うことにし、無事に葬儀が終わって四十九日の時にその事件は起こりました。長男が遺言書(法的に認められているもの)を片手に、「母の財産は俺のもの~!」「現金の遺産は一円たりとも無いぞ~」と雄叫びを上げ始めたのです。
当時、私の父は四人兄弟の次男、雄叫びおじさんである長男と、姉が二人。祖父はずいぶん前にあの世へと旅立っています。
ちなみに彼ら(四人兄弟)からみて私は甥っ子になるのですが、私はどこかしらこうなる事を予感していて、この事件は見事的中!てな感じです。残念なことに遺っているはずの現金は何処かへ消えてしまい、それに加えて百坪の土地を、雄叫びおじさんが独り占めしようとしているのです。
私は思いました。『金に目が眩んだな』『独り占めするのなら、葬儀代の割り勘はねぇだろう!』それと、いつも笑顔で優しかったあの世に行ったばあさんにも『揉めごとを遺すんじゃねえよ~』と残念な、淋しい気持ちになりました。
さて、本来であれば四人兄弟で仲良く四等分、二十五坪ずつ分ければいい話なのですが、ばあさんの遺言書には「雄叫びおじさん一人に譲る」と書いてあるので、もらえる本人は独り占めする気満々です。ほかの三人は怒り心頭「葬儀代を割り勘にしたのに、遺産は割らないのか!」顔を真っ赤にして怒っています…
私は、つまらないことで怒りの矛先が私に向かないように、私の父と叔母二人に遺留分減殺請求(いりゅうぶんげいさいせいきゅう)をすれば?と進言しました。
遺留分減殺請求とは、ばあさんが雄叫びおじさんだけに遺産をあげるよという遺言を残した時に、ほかの三兄弟が最低限の遺産を確保できる制度なのです。百坪の土地の場合、本来は四等分で二十五坪ずつ分けるべきですが、今回遺留分減殺請求をすることにより、この三兄弟は本来手にすることの出来る二十五坪の半分である、十二・五坪が最低限確保できます。
職業柄、相続の話と近いところにいる私が、相続に強い弁護士さんを父親たちへ紹介してその後裁判で争い、約三年。ようやく遺留分を手にすることが出来ました。独り占めを考えた雄叫びおじさんは論外ですが、兄弟に争いの火種を遺したばあさん…私にはいつも優しかったけれど、もっときれいなやり方があったでしょ?と。孫としては優しかったばあさんのまま、あの世へ行ってもらいたかったなぁ…
そんなわけで(?)10月25日(金)14:00から、あすなろ葬祭セミナー『これだけは知っておきたい相続のはなし』を中野サンプラザで開催します。お困りの方、これからお困りになりそうな方、税理士の先生が分かり易くアドバイスしてくれますので是非お越し下さい!