みなさん、こんにちは。
じめじめとした日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
突然ですがみなさん、お盆の準備は進んでいますか?
今日は、時期も近いということもありまして、お盆についてご紹介させていただきます。
◆お盆の由来
わたしは、仏教行事のお盆は、お釈迦様の弟子が、自分のお母さんが地獄のように苦しい世界に堕ち、
自分がよい行いをすることでお母さんが救われた、というお話がはじまりであると解釈しています。
これは仏教の経典に載っているお話です。
<お釈迦様の一番弟子が、ある時自分の亡き母が地獄に堕ち、飢えと渇きに苦しんでいることを知ります。
弟子はどうしたら母を救えるか、お釈迦様に相談しました。
するとお釈迦様は
『たくさんのよい行いをすれば母は救われる』
と弟子に言いました。
弟子は夏の修行期間があける、7月15日に多くの人々と、食べ物や飲み物を分かち合いました。
すると、そのよい行いによって、母親は天国へ行くことができました。>
このお話と、先祖の霊があの世から帰ってきて、家族と共に限られた時間を過ごし、
再びあの世に帰っていく、という日本古来の信仰が混ざってできた行事がお盆です。
お盆は、
東京では7月13日から16日、
その他の地方では8月13日から16日に行われます。
8月のお盆のことを旧盆、または月遅れのお盆といいます。
13日に迎え火で先祖や故人の霊をお迎えし、16日に送り火でお見送りします。
◆精霊棚(しょうりょうだな)とお供えもの
多くの地方では、ご先祖様の霊を迎える精霊棚を7月(8月)13日の朝作ります。
精霊棚は盆棚とも言われ、位牌を置き、食べ物やお水をお供えする棚です。
精霊棚にはどのようなものをお供えすればいいのでしょうか?
その内容について解説いたします。
▼ナスの牛、キュウリの馬
よく見かけるこの2つですが、これはご先祖様が、馬に乗って一刻も早くこの世に帰り、
帰りは牛に乗ってゆっくりあの世へ戻っていくようにと願いを込めたものと言われています。
また、先祖の霊が馬に乗り、荷物を牛に乗せて楽に行き来できるようにとも言われています。
▼真菰のゴザ
お盆の精霊棚には真菰(まこも)のゴザが敷かれます。
真菰は、人の背丈くらいの高さまで育つイネ科の植物で、新芽はマコモダケとして食用されています。
古事記や日本書紀など古い書物にも登場し、薬用成分を含んでいるので、お釈迦様は真菰の敷物に
病人を寝かせ治療したといわれています。
仏事に限らず、神事でも使われているので、真菰は宗教と根深い植物であるといえます。
▼ほおづき
精霊棚や仏壇にほおづきをぶら下げる地域があります。
ほおづきは足元を照らす赤い灯火の役割があります。
ちなみに漢字で書くと「鬼灯」でほおづきです。
見た目が赤く怪しげである印象から、「鬼灯」と書かれるそうです。
▼みそはぎ
地域によっては、みそはぎというお花を飾るところもあります。
茎の先に淡い赤紫の花がたくさんついている、夏から秋にかけて咲く植物です。
みそはぎは禊萩と書かれ、「禊」の字からもわかるように、お清めのために使われます。
▼あか水
地域によって蓮の葉に水を垂らしてお供えしたり、器に入れてお水をお供えします。
この水を閼伽(あか)といいます。
仏教では供養のための水は閼伽と呼ばれ、穢れを払う水とされています。
▼水の子
夏野菜の代表格、キュウリやナスなどの野菜を細かく切り、洗ったお米や白ごまを混ぜたものを
水の子といいます。こちらは蓮の葉に盛ってお供えします。
お盆に帰ってくるすべての霊にいきわたるようにという思いが込められています。
そのほか、夏の野菜や果物、生花、そうめんなど、お供え物は地域によって異なると思いますが、
ご先祖様や故人様が喜ぶもの、生前好きだったものを感謝の気持ちでお選びいただくと、
ご先祖様も故人様も喜んでくださると思います。
次回は、ご先祖様をお迎えお送りする、送り火・迎え火の役割をする
「盆提灯」やお盆にまつわるお話をご紹介したいと思います。