みなさんこんにちは。
毎日暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
本日は、お香典でよく目にする表書きの「御霊前」と「御佛前」の違いについてお話ししたいと思います。
宗派の違いや、神式と仏式でも使い方が異なる場合がありますので、そちらも併せてお話いたします。
▼御霊前と御佛前の違い
まず、二つの言葉の意味をご説明します。
御霊前は、故人さまの御霊(みたま)の前、
御佛(仏)前は、故人さまが成仏した仏様の前、という意味です。
※仏は略字です。佛が使われている場合が多いです。
故人さまが亡くなったその日から、故人さまは霊となり旅をします。
長く苦しい旅(閻魔大王さまをはじめとする十王さまたちに生前の行いに対しての裁きを受けるので苦しい旅です)をつづけ、
四十九日後に成仏し、仏様になると言われています。
ですので、
霊の期間(亡くなった日~亡くなって四十九日まで)が「御霊前」
成仏して天国に旅立った時(亡くなって四十九日以降~)が「御佛前」という考えになります。
※ちなみに「十王さま」とは、地獄で審判を下す裁判官的な仏さまのことです。
お通夜や告別式は、亡くなられて3日~1週間、お待ちになる方でも10日ほどで行われることが多いです。
この期間は、上記の
霊の期間に当たりますので、
参列される方は「御霊前」と書かれた不祝儀袋を用い、ご遺族にお渡しするのがよろしいかと思います。
ただ、
宗派によっては「御霊前」がマナー違反になる場合もあります。
(マナー違反という書き方をしましたが、亡くなった方の宗派をご存じの方は少ないですよね…難しいので、葬儀に参列される時は御霊前と御佛前の両方のお香典袋を用意しておくとよいかもしれません)
▼「御霊前」を用いない宗派とは?
浄土真宗は、「御霊前」を用いません。
なぜなら、
真宗の教えは、「人は亡くなったらすぐに成仏して仏さまになる」というものだからです。
霊でいる期間がなく、すぐ成仏して天国へ行けるという考えなのですね。
なので「御霊前」は用いないということになります。
浄土真宗の宗派のご葬儀に参列される際には、「御佛前」の香典袋をおすすめします。
▼神式・キリスト式の場合
神式は、蓮の花の絵が描いていないものを使用します。
表書きは
「御神前」「御榊料」「御玉串料」「御供物料」と書くのが一般的です。
「玉串」とは、仏式の葬儀で「焼香」にあたる、「玉串奉奠」の際に祭壇に手向ける榊のことを指します。
↑これが玉串です。
キリスト式は「御花料」や「御ミサ料」(カトリックの場合のみ)と書くのが一般的です。
キリスト式は、カトリックとプロテスタントの2つに分かれています。
カトリックの葬儀は、
聖書の朗読や、神父さまの説教を行う「言葉の典礼」、祭壇にパンやブドウ酒を捧げる「感謝の典礼」からなるミサが中心になります。
一方プロテスタントの葬儀は、神に感謝し、遺族を慰めるために行われ、故人ではなく神に捧げる祈りが中心となります。聖書の朗読、讃美歌の斉唱、牧師の説教などが行われます。
ミサという言葉はカトリックでしか使用しないので、「御ミサ料」はカトリックの式の場合のみ使われるということです。
「御霊前」は宗派を問わないので、神式・キリスト式でも使うことができます。
「御霊前」は、とても便利ですね。
▼無宗教葬の場合
無宗教葬の場合は、「御花料」と書くことが多いのですが、
無宗教葬のお香典の表書きは特に決まりがないので、
「御霊前」「御香典」でもよいと思います。
いかがでしたか?今後のご参考にしていただければ幸いです。
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次回は、最近話題の「一日葬」についてお話しします。