【スタッフのコラム】盆提灯のあれこれ

みなさん、こんにちは。 前回に引き続き、今回もお盆についてのお話です。 今回は、盆提灯についてご紹介したいと思います。 boncho1    

 ◆盆提灯とは

13日の夕方か夜、菩提寺とお墓にお参りし、ご先祖様をお迎えにあがります。 その時に大切なものが、迎え火・送り火の役目を果たす「盆提灯」です。 先祖や故人の霊が迷わず帰ってこられるように目印として飾ります。 また盆提灯は、故人の冥福を祈り、感謝の気持ちを表すものでもあります。 盆提灯は故人へのお供えものとして最高のものとされているため、 親戚や故人と親しかった方は、盆提灯を贈られることが多いようです。 いただいた盆提灯は、精霊棚や仏壇の前に飾り、お盆を迎える準備を整えます。 盆提灯は、宗派による違いはありません。 どの宗派でも盆提灯を飾りますが、地域の慣習によって盆提灯の種類が少し異なる場合があります。  

◆盆提灯を飾る時期

盆提灯は送り火・迎え火の大事な役割があるので、7月(8月)13日までに用意をします。 実際に盆提灯を飾る時期は、お盆の月の7月(8月)に入った早い時期から飾りはじめても問題ありません。  

 ◆盆提灯の贈り方

盆提灯を贈る時は、絵が描いてあるものを贈るのが一般的です。 盆提灯は一対で贈るのが正式ですが、予算の都合などもありますので必ずしも一対でなくても構いません。 また、飾るスペースのことも考えて贈ると良いと思います。 近年では贈る相手の住宅事情に合わせて、小さくても良いものを選ぶ、という傾向もあります。 のし紙をかけて贈る場合の表書きは、「御佛前」とするのが一般的ですが、関西では「御供」とするところも あります。  

◆盆提灯の種類

家に飾る盆提灯には、上から吊るすタイプと下に置くタイプの2種類があります。 盆提灯の役割としては、どちらも同じ意味があります。 盆提灯には家に飾るもの以外に、手に持つタイプのお迎え提灯といわれるものがあります。 これはお墓に先祖の霊を迎えにいくときに使用するものです。   boncho3 吊るすタイプの盆提灯には、御所提灯(ごしょちょうちん)、御殿丸(ごてんまる)、住吉などがあります。 代表的なものは御所提灯で、岐阜提灯(ぎふちょうちん)ともいわれます。 岐阜県特産の美濃和紙を使用して作られたことから、この名前がつきました。 火袋の素材(和紙、絹)や口輪の素材(木、プラスチック、紙)等、素材もそれぞれ異なり、 素材によって値段も変わります。新盆用の白提灯も、御所提灯の一種です。     boncho2 置くタイプの盆提灯には、廻転行灯(かいてんあんどん)と 銘木行灯、大内行灯(おおうちあんどん)が代表的なものとしてあります。 廻転行灯は、明かりを灯すと、くるくると絵柄が回る行灯です。 廻転行灯には、棚の上に飾れる霊前灯という小さいサイズのものもあります。  

◆新盆用の盆提灯

故人が亡くなって四十九日の後、つまり忌明けの後に初めて迎えるお盆を 新盆(にいぼん・しんぼん)といいます。 新盆の家では、初めて帰ってくる故人の霊が迷わないための目印として、 新盆用の白提灯を、玄関や部屋の窓際、仏壇の前などに吊るします。 boncho4 新盆用の白提灯はひとつあればよいです。 新盆用は清浄無垢の白で故人の霊を迎えるため、白木で作られた白紋天の提灯が一般的です。 新盆用の白提灯はローソクの火をともせるようになっていますが、危ないので火を入れず、お飾りするだけで迎え火とする場合も多いようです。 新盆用の白提灯を飾るのは新盆の時だけで、お盆が終わったら燃やして処分します。 処分の方法は、以前は送り火で燃やしたり、自宅の庭でお焚き上げしたり、菩提寺に持って行き処分してもらいました。 しかし最近は、火袋に少しだけ火を入れて燃やし(形だけお焚き上げをして)、鎮火を確認してから新聞紙などに包んでゴミとして処分することが多くなっています。  

 ◆送り火・迎え火

ご先祖様の霊をお迎えするのが迎え火、送るのが送り火です。 迎え火は先祖が帰ってくるときの目印になり、 送り火はわたしたちがしっかりと見送っているという証になります。 迎え火は家や玄関で行う場合もあれば、お墓で行う地域もあるなど、その形態は様々。 浄土真宗では宗派の教えとして、故人はすべて天国にいると考えるため、迎え火・送り火は行いません。 霊をお迎えする習慣はありませんが、お盆の間は盆提灯を飾り、仏様とご先祖様に感謝をささげます。 bon2   次回は、お盆の時期や、お盆に関する行事等のお話をしたいと思います。

【スタッフのコラム】お盆の由来と精霊棚

みなさん、こんにちは。 じめじめとした日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。 突然ですがみなさん、お盆の準備は進んでいますか? 今日は、時期も近いということもありまして、お盆についてご紹介させていただきます。   蓮の花      

◆お盆の由来

わたしは、仏教行事のお盆は、お釈迦様の弟子が、自分のお母さんが地獄のように苦しい世界に堕ち、 自分がよい行いをすることでお母さんが救われた、というお話がはじまりであると解釈しています。   これは仏教の経典に載っているお話です。 <お釈迦様の一番弟子が、ある時自分の亡き母が地獄に堕ち、飢えと渇きに苦しんでいることを知ります。 弟子はどうしたら母を救えるか、お釈迦様に相談しました。 するとお釈迦様は 『たくさんのよい行いをすれば母は救われる』 と弟子に言いました。 弟子は夏の修行期間があける、7月15日に多くの人々と、食べ物や飲み物を分かち合いました。 すると、そのよい行いによって、母親は天国へ行くことができました。>   このお話と、先祖の霊があの世から帰ってきて、家族と共に限られた時間を過ごし、 再びあの世に帰っていく、という日本古来の信仰が混ざってできた行事がお盆です。   お盆は、東京では7月13日から16日その他の地方では8月13日から16日に行われます。 8月のお盆のことを旧盆、または月遅れのお盆といいます。 13日に迎え火で先祖や故人の霊をお迎えし、16日に送り火でお見送りします。  

◆精霊棚(しょうりょうだな)とお供えもの

多くの地方では、ご先祖様の霊を迎える精霊棚を7月(8月)13日の朝作ります。 精霊棚は盆棚とも言われ、位牌を置き、食べ物やお水をお供えする棚です。 精霊棚にはどのようなものをお供えすればいいのでしょうか? その内容について解説いたします。   kyuritonasu    

▼ナスの牛、キュウリの馬

よく見かけるこの2つですが、これはご先祖様が、馬に乗って一刻も早くこの世に帰り、 帰りは牛に乗ってゆっくりあの世へ戻っていくようにと願いを込めたものと言われています。 また、先祖の霊が馬に乗り、荷物を牛に乗せて楽に行き来できるようにとも言われています。  

▼真菰のゴザ

お盆の精霊棚には真菰(まこも)のゴザが敷かれます。 真菰は、人の背丈くらいの高さまで育つイネ科の植物で、新芽はマコモダケとして食用されています。 古事記や日本書紀など古い書物にも登場し、薬用成分を含んでいるので、お釈迦様は真菰の敷物に 病人を寝かせ治療したといわれています。 仏事に限らず、神事でも使われているので、真菰は宗教と根深い植物であるといえます。  

▼ほおづき

精霊棚や仏壇にほおづきをぶら下げる地域があります。 ほおづきは足元を照らす赤い灯火の役割があります。 ちなみに漢字で書くと「鬼灯」でほおづきです。 見た目が赤く怪しげである印象から、「鬼灯」と書かれるそうです。  

▼みそはぎ

地域によっては、みそはぎというお花を飾るところもあります。 茎の先に淡い赤紫の花がたくさんついている、夏から秋にかけて咲く植物です。 みそはぎは禊萩と書かれ、「禊」の字からもわかるように、お清めのために使われます。  

▼あか水

地域によって蓮の葉に水を垂らしてお供えしたり、器に入れてお水をお供えします。 この水を閼伽(あか)といいます。 仏教では供養のための水は閼伽と呼ばれ、穢れを払う水とされています。  

▼水の子

夏野菜の代表格、キュウリやナスなどの野菜を細かく切り、洗ったお米や白ごまを混ぜたものを 水の子といいます。こちらは蓮の葉に盛ってお供えします。 お盆に帰ってくるすべての霊にいきわたるようにという思いが込められています。 syouryodanarei     そのほか、夏の野菜や果物、生花、そうめんなど、お供え物は地域によって異なると思いますが、 ご先祖様や故人様が喜ぶもの、生前好きだったものを感謝の気持ちでお選びいただくと、 ご先祖様も故人様も喜んでくださると思います。     次回は、ご先祖様をお迎えお送りする、送り火・迎え火の役割をする 「盆提灯」やお盆にまつわるお話をご紹介したいと思います。

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